子供の頃、縁側に座って、雷を眺めるのが好きだった。
夏の日、薄暗い中、時折現れる稲光を見ながら、アイスなど食べていた。
屋根を叩きつける雨の音、周りの木々を揺らす風、そして雷の音。
何とも心が落ち着く、心地よい時間だった。
今思うと、環境音楽以外の何物でもなく、そりゃあ、心も落ち着くだろう。
なんとなく、空に意識が集中し、それ以外に考える事といえば、
アイスが溶けないうちに食べきる事ぐらいだった。
当時は、今よりも暦通りに季節が移り替わっていたように思う。
とすれば、雷を眺めていたのは、夏が多かったのだろう。
大人の様に自由に出歩けはしないが、
衣食住の心配なんて思いもつかず、
ただただ、長い長い夏休みに想いを馳せていたのだろう。
例え、現在に同じ事をしても、当時の感情を再現する事はできないと思う。
思い出を手掛かりに、推測する事が精一杯ではないだろうか。
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