アナザーマインド

うん。
最近、なんやかんやで思い出すんですよ。

「アナザーマインド」

小説を読み進める様に楽しむ、ノベルゲームというものなんですが、
スクエアより1998年にプレイステーション向けに発売されました。

ノベルゲームは、現在でも発売されるジャンルですが、
そのなかでも、「実写」ノベルゲームはそれほど数が出ていません。
 

「アナザーマインド」はそんな数少ない「実写ノベルゲーム」なのです。
なんで、このゲームを最近思い出すのか。
理由は簡単。

スクエアエニックスから久々に「実写ノベルゲーム」が発売されるのです。
5月12日にスクエアエニックスから実写ノベルゲーム「春ゆきてレトロチカ」が発売されるのです。

うーん。
面白いと良いなぁ。

「実写ノベルゲーム」は作品数が少ない割に、名作がゴロゴロしている印象があります。

名作として良く挙げられるのは「街」ですかね。
チュンソフトから発売された「街」は、ザッピングシステムを採用しており、シナリオも秀逸です。
ちりばめられた物語は、ラストに収束していくわけですが、そのシナリオは今遊んでも素晴らしい出来と思われます。

セガサターンで遊んだなぁ…。
 

さて、そんな「実写ノベルゲーム」
個人的に名作を挙げよと言われれば、私は声を大にして言いたい。

「アナザーマインド」は名作です、と。

いや、このゲームすごいんですよ。
いやいや、本当に。

ある意味、このゲームのある特異性に関しては、いまだにこれ以上のものは出ていないのではないでしょうか。
というか、類似したゲームを私は見たことが無い。

それ程、強烈な印象を残した「アナザーマインド」ですが、
私は発売日に購入したわけではありません。

購入した切っ掛けは、当時のファミ通のお正月企画だったかで、ゲームクリエイターの方達に色々インタビューしていたのですが、その中で、広井王子さんが「アナザーマインド」を褒めていたんですよ。確か。
よくよく読むと、他にも褒めている方がチラホラと。

そうなれば、気になってくるじゃないですか。
当時のゲームクリエイターと言えば、遊んでいる側としては、芸能人並みの認識ですよ。

そんな、ゲームクリエイターの方々が推薦するのだから、面白いのだろうと思うわけですよ。

で、購入して、遊んでみたんですが。

いや、これが本当に面白い。
 

何より、システムが本当に斬新でした。

システムを説明したいのですが、その為には「アナザーマインド」のストーリーに触れる必要があります。

「アナザーマインド」のストーリーを簡単に説明します。
主人公はとある事により、ヒロインの頭の中に意識のみ住み着く事になります。
しかも、ヒロインと会話が可能な状況なのです。
このシチュエーション自体が十分特異性溢れているのですが、主張したいのはそこではありません。

ヒロインは様々な事件に遭遇し、これを解決していくのですが、
あらゆる状況でヒロインは頭の中に居候している主人公と会話を繰り広げていく事となります。

これが「アナザーマインド」の大筋です。

さて、ヒロインと主人公が会話を繰り広げると言いましたが。
会話。
これが、「アナザーマインド」を今なお唯一無二のゲームに押し上げている要素です。
 

ノベルゲームとは、物語が分岐し様々な結末を楽しめるもの。
(複数の小説が一つのゲームになっていると思って頂ければだいたい合っています)

その分岐のきっかけは、主人公の「選択」です。
通常、その「選択」はゲーム側が用意している「選択肢」を選ぶ事によって成立します。
ノベルゲームの大枠は皆このパターンです。
それもその筈。
ゲームを遊んでいる人(小説を読んでいる人と言い換えても良いのかもしれません)が、
その場その場で思った事を物語に反映させることは物理的に不可能です。
物語が膨れ上がり、収拾がつきません。

そんな、ノベルゲームにおいて、なんとこのゲーム。
「アナザーマインド」は従来の様な選択肢を持ちません。
しかしながら、物語は分岐していきます。

何が物語を分岐させているのか。
答えは「会話」です。

ゲームが用意した、3種類ほどの文章を選ぶイメージをされた方は、従来のゲームと同じだと思われたでしょう。

いやいや、そんなものじゃないんです。
「アナザーマインド」の会話は、本当にすごいです。
主人公は、ヒロインと会話する際、
複数の主語、複数の名詞、複数の動詞、複数の修飾語(たしかあった)。これらを繋ぎ合わせ、一つの文章を作ります。

これが、「アナザーマインド」というゲームの選択肢となるわけです。
主人公の作る文章は、膨大な数になると思いますが、ヒロインは事細かく反応してくれます。
まぁ、反応が同じになるパターンもありますが、そこはご愛敬。
それでもヒロインの反応は膨大です。
文章の組み合わせでは、こちらが意図した会話の裏側を読み取ってもくれます。

しかも、会話の積み重ねにより物語が進むと、ヒロインは主人公の性格を理解したうえで会話を進めます。

…なんだこのゲーム。

いや本当、どうやって作ったんだこのゲーム。
人の手によるものなのは間違い無いのでしょうが、どれ程時間をかけたのでしょうか。
何か、フラグ管理等、よほど効率化しているのだとは思うのですが、どうなんでしょう。

いつの日か、ゲーム開発に携わった人が当時の話を披露して頂けないでしょうか。

いやー、久々にやりたくなってきたなー。

でも、見つからないんですよねー。
どこにやったかなぁ。

諦めて、中古屋めぐりでもしましょうかね。
 

再プレイした際には、
いつの日か、感想でもあげたいものです。

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